死亡事故の損害賠償額
死亡事故の損害賠償額を例を挙げて説明します。
子供が3人いて年収500万円の35歳の会社員が
運転中にトラックと衝突して死亡したとします。
すると加害者と示談交渉することになりますが
その前に損害賠償請求する額を試算することになります。
損害賠償額は、
積極損害額+消極損害額+慰謝料の合計となります。
それでは、順番に見ていきます。
●積極損害
葬儀費は、原則、130万円〜170万円です。
この金額は、裁判所で基準額を認められます。
ここでは、150万円とします。
死亡するまでの治療費、車、衣服、メガネなどの物損などの合計を
ここでは、50万円とします。
積極損害の合計は、
150万円 + 50万円 = 200万円
となります。
●消極損害
逸失利益として交通事故にあわなければ
将来得られたはず収入の推計。
年収が500万円ならそこから本人の生活費として
35%が控除されます。
年齢により就労可能年数とライプニッツ係数が決められています。
今回は、35歳なので就労可能年数が32年、
ライプニッツ係数が15.803と決まっています。
計算式は、
500万円 × (1 - 0.35)× 15.803 = 5135万9750円
となり働き続けていたら得られたはずの収入が
5135万9750円となります。
さらに退職金もこれに加えられます。
例えば定年まで働いて2000万円の退職金がもらえたとします。
ここからその間に生じる利息分が控除されます。
35歳から60歳までだと25年なのでライプニッツ係数表をみると
ライプニッツ係数が0.2953となります。
計算式は、
2000万円 × 0.2953 = 590万6000円
退職金としては、働き続けていれば
590万6000円もらえたことになります。
よって得られた収入と退職金を合わせると
下記のようになります。
5135万9750円(収入) + 590万6000円(退職金) = 5726万5750円
よって消極損害としては、5726万5750円となります。
●慰謝料
慰謝料は、定額化されています。
一家の支柱の場合は、2700万円〜3100万円で
ここでの慰謝料は、2700万円とします。
ちなみに母親(妻)の場合は、2400万円〜2700万円。
その他の場合は、2000万円〜2500万円となっています。
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ここまで整理すると
積極損害 200万円
消極損害 5726万5750円
慰謝料 2700万円
合計 8626万5750円
この合計金額が加害者に損害賠償請求する額になります。
ただし、この金額から過失割合によって賠償額が減額されます。
過失が5:5なら半分になるわけです。
訴訟をした場合の弁護士費用に関しては、
判決で容認される賠償額の10%前後の割合で
認められることが多いです。
判決で容認された弁護士費用も合計額にプラスされます。